こんにちは。
今回は「自作PCに興味はあるけれど、どんなパーツが必要なのかよくわからない」という方のために、自作PCを組むうえで必要なパーツとその役割を、ひとつひとつ丁寧にご紹介します。
難しそうに見える自作PCですが、構成するパーツさえ理解してしまえば、案外シンプルなものです。ぜひこの機会に、基本的な構成をしっかりと押さえておきましょう。
自作PCに必要なパーツ一覧
まずは、自作PCを組むうえで必要となる主要なパーツを一覧でご紹介します。
- CPU(中央演算処理装置)
- マザーボード(基板)
- メモリ(作業領域)
- ストレージ(SSD / HDD)
- グラフィックボード(映像処理装置)※用途によっては不要
- 電源ユニット(電力供給)
- PCケース(パーツの収納)
- 冷却パーツ(CPUクーラー、ケースファン等)
- OS(Windowsなどの基本ソフト)
それでは次に、それぞれのパーツの役割と、初心者の方に向けた選び方のポイントをご説明します。
各パーツの役割と選び方
CPU(パソコンの頭脳)
CPUはパソコンの「頭脳」にあたる部分で、あらゆる処理の中心を担っています。
主なメーカーは Intel と AMD の2社で、それぞれにエントリーモデルから高性能モデルまで幅広い製品があります。
初心者の方は、まずは「何に使いたいか」を明確にし、用途に見合った性能のものを選ぶと良いでしょう。たとえば、ネット閲覧やOffice作業が中心であれば、ミドルクラスのCPUで十分です。
マザーボード(パーツ同士をつなぐ基盤)
マザーボードは、すべてのパーツを接続する「土台」となるパーツです。
選ぶ際には、以下の点に注意が必要です。
- CPUソケットの種類(Intel用/AMD用など)
- チップセットの性能と機能
- サイズ(ATX、MicroATX、Mini-ITX)
拡張性を重視するならATX、コンパクトに組みたいならMicroATXやMini-ITXがおすすめです。
メモリ
メモリは、パソコンが一時的にデータを保管して作業を行うスペースです。
作業机に例えると、広ければ広いほど同時に多くの作業をこなせます。
最近では 8GB~16GB が標準的な容量です。ゲームや動画編集などを行う場合は、16GB以上あると快適です。
ストレージ(データ保存領域)
パソコンのデータを保存しておく場所がストレージです。
現在主流なのは SSD(ソリッドステートドライブ)で、読み書きが高速なため、Windowsの起動やアプリの動作が非常にスムーズになります。
一方で、大容量のデータ保存には HDD(ハードディスクドライブ)を組み合わせるのも良い選択です。
グラフィックボード(映像処理)
グラフィックボード(GPU)は、ゲームや動画編集、3DCGなど、映像処理が必要な用途で活躍するパーツです。
NVIDIAやAMDが主要なメーカーで、性能や価格もさまざまです。
なお、インターネットや動画視聴など軽めの用途であれば、CPU内蔵グラフィックスで十分な場合もあります。
電源ユニット
すべてのパーツに電力を供給するのが電源ユニットです。
選ぶ際には、構成するパーツの合計消費電力に対して、余裕のあるワット数を確保することが大切です。
また、「80 PLUS認証」がついた製品は、電力効率が高く、安定した動作が期待できます。
PCケース(パーツの収納)
ケースはすべてのパーツを収める箱です。
サイズ、冷却性能、デザインの好みに応じて選びましょう。
初めての方には、ATX対応で内部の作業スペースが広めのケースがおすすめです。
冷却パーツ(熱対策)
パソコンの動作中には熱が発生します。
その熱を効率よく逃がすために、CPUクーラー や ケースファン が必要になります。
静音性を重視するか、冷却性能を重視するかによって選ぶ製品が変わってきます。
OS
パソコンを動作させるための基本ソフト(OS)として、一般的には Windows を使用することが多いです。
インストール方法やライセンスについては、また別の記事で詳しく解説いたします。
最低限の構成例(ライトユーザー向け)
ここでは、パソコンでのネット閲覧や動画視聴、軽めのゲームを想定した構成例をご紹介します(2025年4月現在)。
- CPU:Intel Core i3 / AMD Ryzen 5(エントリーモデル)
- マザーボード:B660(Intel)または B550(AMD)
- メモリ:16GB(8GB×2)
- ストレージ:SSD 500GB
- 電源:500W(80 PLUS Bronze)
- ケース:ATX対応ミドルタワー
- OS:Windows 11 Home
この構成であれば、おおよそ10万円前後で組むことが可能です。拡張性も考慮しているため、あとからグラフィックボードを追加することもできます。
ゲームメインで楽しむ方向けの構成例(コスパ重視)
ゲームをメインで使用することを想定した場合の構成例も紹介します。(2025年4月現在)
パーツ | 推奨スペック / 製品例 |
---|---|
CPU | AMD Ryzen 5 7600 / Intel Core i5-13400 |
GPU(グラフィックボード) | NVIDIA GeForce RTX 4060 / AMD Radeon RX 7600 |
メモリ | 16GB(8GB×2)DDR5 / DDR4(用途に応じて) |
ストレージ | SSD 1TB(NVMe M.2) |
マザーボード | B650(Ryzen)または B760(Intel)チップセット搭載 |
電源ユニット | 650W(80 PLUS Bronze 以上) |
PCケース | ミドルタワー型、エアフロー重視(前面メッシュ推奨) |
OS | Windows 11 Home |
解説とポイント
- CPUは6コア12スレッド前後のものが、ゲーム用途において非常にバランスが取れています。
Ryzen 5 7600やCore i5-13400は処理能力と価格のバランスが良好です。 - GPU(グラボ)は、フルHDで最新ゲームを高設定・60fps以上でプレイしたい場合、RTX 4060やRX 7600が最もコスパが良い選択肢です。
軽いゲームならこれ以上の性能は必要ありませんが、将来的にWQHD以上の環境を検討されている方には、RTX 4060 Ti や RTX 4070へのステップアップも選択肢です。 - メモリは今後を見据えるならDDR5対応にしておくのが理想ですが、コストを抑えたい場合はDDR4でも問題ありません。16GBが最低ラインです。
- ストレージはゲームを複数インストールすることを考えると、1TBが望ましいです。NVMe SSDであれば、ロード時間の短縮にも貢献します。
- 電源にはGPUの消費電力を考慮して、650W以上、信頼性の高い80 PLUS Bronze以上の製品を選びましょう。
- ケースはパーツの冷却性能に関わるため、通気性の良い設計がおすすめです。サイドパネルがガラス製のものも人気がありますね。
この構成でできること
- 最新のAAAゲームをフルHDで「高設定」&60fps以上で快適にプレイ
- Apex Legends、Fortnite、Valorant、FF14、モンスターハンターなどの人気タイトルも快適動作
- 将来的なGPU交換などによるパワーアップも視野に入れた設計
まとめ
自作PCに必要なパーツは、ひとつひとつの役割がしっかりと決まっています。
難しそうに見えても、全体像と各パーツの機能を理解すれば、思っている以上にスムーズに組み立てができます。
自分の目的に合わせた構成を考えることが、自作PCの醍醐味でもあります。
次回は「組み立ての流れ」や「おすすめ構成の比較」などもご紹介予定ですので、よろしければまたお付き合いください。
コメント